ストレス性疾患とサイケデリック・ルネッサンス サイケデリック 人物 医療 心理学・精神医学 by まぼろし - 2012年10月21日2018年8月7日0 ストレスは、「闘争か逃走反応」を引き起こす苦痛である、とでも定義する。ストレスについての研究を行ったハンス・セリエは、1950年代にストレッサーという言葉に取って替えることで、外部刺激以外のことを含めた ((『ストレスに負けない脳』p26、64))。荒削りだが応用させようと思う。 2012年、英米の精神薬理学のトップは、拡大する精神疾患・閉鎖する製薬研究の状況を打破するために、効果のないドラッグ・ウォーの失敗からの薬物政策の転換の議論も加わり、サイケデリックス(幻覚剤)の応用を本格化させた。2012年10月ついに、研究が本格化するための環境が整った。サイケデリック・ルネッサンス(Psychedelic Renaissance)である。 強いストレスは、心血管にダメージを与え心筋梗塞などのリスクをあげ、免疫を低下させ風邪などの感染症のリスクをあげ、逆にぜんそくやアレルギーといった自己免疫疾患もたらす。また、うつ病をはじめとしたストレス性障害に結びつく。遺伝なり環境なりで弱かった部分や、負荷がかかりすぎた所からダメージが出る。だから、短期的な解決と根本的な解決、部分的でかつ特化した対応と全体的にじわじわ効いてくる対応のそれぞれが可能となる。というわけなので、緊急的な対応を行ったあとに全体的な修復を試みなければ、ほかの部分にダメージが来る。前2つの記事の逆向きの説明になるかと思う。 この仕組みについては「闘争か逃走反応」を理解すればいい。 7400
フローティング・タンク、考察と体験記 サイケデリック 心理学・精神医学 by まぼろし - 2012年8月24日2018年8月7日0 COCOONのアイソレーション・タンク(フローティング・タンク)に入ってきました。 最新型のタンクが置いてあるので岡山のCOCOONに行きたいと思ってたところ、なかなか行けなかった。そこで東京のタンクサロンのECCOのほうに行こうと思っていたけど、こちらは震災を機に移住していました。そんなこんなで、やっとCOCOONに。 フローティング・タンク 1950年代、ジョン・C・リリーによって、リアリティとは何かという追求の果てに生み出された感覚遮断タンク(アイソレーション・タンク)は、体温程度の温度に保たれた塩水に浮かび、光と音を遮断できるタンクです。今では究極のリラクゼーションの装置として普及している。"Restricted environmental stimulation therapy"と呼ばれる。 Wikipediaを探すと、タンクの体験によって、ストレスホルモンの減少、α波からΘ波に入る、慢性痛の軽減、抑うつ感の減少と楽観さの増加といったデータが出ていることが分かる。通常の指示的な訓練以上に受動的に体の力を抜き、同時に深い瞑想体験が期待でき、その作用ではないかと考えられる。 7357
トランスパーソナル心理学、統合思想の実用の現在 サイケデリック 医療 心理学・精神医学 by まぼろし - 2012年8月23日2018年8月7日0 トランスパーソナル心理学を提唱したスタニスラフ・グロフは、1960年代にLSDによる研究を経て、マズローとともに提唱している。1980~1990年代にかけて、トランスパーソナルな世界を思想的に統合したケン・ウィルバー。旧来の方法の限界を見て、トランスパーソナルな方法は、いまや科学され、主流の科学者がその道を開拓する。詳しくは見ていかないけれど、科学的根拠を含む現代的な流れをざっと。 トランスパーソナル心理学(超個心理学)は、LSDを使ったまじめな心理学的な統計をとってその精神の回復の奇跡をみていたスタニスラフ・グロフ(スタン・グロフ、Stanislav Grof)が、心理学の発展は精神分析のフロイトから、科学的行動主義のスキナーときて、自己実現のアブラハム・マズローときた、このマズローとスタン・グロフが1969年にトランスパーソナル心理学会を設立。グロフによれば、トランスパーソナルはユングが使った言葉である。 7331
スチュアート・ブランド、ホールアースカタログと情報共有 サイケデリック サイバーカルチャー 人物 情報リテラシー・メディア by まぼろし - 2009年10月15日2018年8月7日0 スチュアート・ブランド(Stewart Brand)は、1960年代にサイケデリックスのLSD(俗称アシッド)で目覚め、ケン・キージー一行のアシッド・テストにかかわった後、『ホール・アース・カタログ』(whole earth catalogue)を発行し、世界中の文化や自給的生活やパーソナル・コンピュータとエコロジーを知らしめる。カタログは1972年に全米図書賞を受賞するが、カタログの葬式を行い資金を社会に還元するとして資金を託された平和活動家のフレッド・ムーアは、ホームブルー・コンピュータ・クラブをつくりクラブからアップル・コンピュータが誕生し、自分が懸命に作ったプログラムをクラブで共有されたビル・ゲイツはコピーの不条理さを訴えた。ブランドは1980年代には、『ホール・アース・ソフウェア・カタログ』を発行、現在(?未来?)のコンピュータネットワーク社会の縮図のような研究を行っていたMITメディアラボを取材した『メディアラボ』を発行する。インターネットがなかったから、『ホール・アース・カタログ』を作ったんだ。 2916
瞑想(マインドフルネス)・ヨガ・座禅 サイケデリック 心理学・精神医学 by まぼろし - 2008年12月21日2018年8月7日0 瞑想(meditation)とは、たとえば呼吸に注意を集中することによって意識を穏やかにする手法であったりとさまざまに種類があり、最終的にはものごとをあるがままに捉えることを目指す。座禅やヨガは瞑想の一種である。呼吸に注意を集中する方法は、瞑想の入り口でもありゴールでもある。方法を大きく分けると、イメージを行い感情を変化させる瞑想、イメージやものに集中し精神を静かにする瞑想、マインドフルネスと呼ばれる何ごとも静かに注意深く観察する瞑想に大別される。 マインドフルネス(mindfulness)とは、現在、瞬間的に起こっている外部の事柄や内部の経験を随時観察していくという心のはたらきを意識的に働かせることである ((エリオット・S. ダッチャー『心身免疫セラピー-精神神経免疫学入門 新装版』中神百合子訳、春秋社、2005年。ISBN 978-4393710555。42-45ページ。(原著 Pni: The New Mind/Body Healing Program, 1992)))。マインドフルネスは、瞑想の一種である。マインドフルネスを意識的に行っていくことで、いつしかそれに集中した状態になり、さらに熟練することで集中状態から瞑想状態へと移り、心は澄み平穏となる ((エリオット・S. ダッチャー『心身免疫セラピー-精神神経免疫学入門 新装版』中神百合子訳、春秋社、2005年。ISBN 978-4393710555。42-45ページ。(原著 Pni: The New Mind/Body Healing Program, 1992)))。あれこれ彷徨っていた思考が静かになる。 無神論である仏教による瞑想や、瞑想によって神との合一を図るさまざまな潮流は、神と天国をわけのわからない外部に想定するなどということをしない伝統である。世界の宗教対立を止める世界平和原理・宗教観統一原理の一端をこの分野が担っている。 ここ数年、マインドフルネスな意識状態は心理学の分野で治療・臨床への応用が盛んである。同じくここ数年、臨床への応用が心理学でも模索される「根拠に基づいた医療」とも重なって科学的な有効性が報告されており、面白くなっている分野だ。精神医療の専門家向けの著作に『マインドフルネスストレス低減法』 ((ジョン・カバットジン『マインドフルネスストレス低減法』春木豊訳、北大路書房、2007年。ISBN 978-4762825842。(原著 Full Catastrophe Living, 1990)))、『マインドフルネス認知療法-うつを予防する新しいアプローチ』 ((Z.V・シーガル、J.D・ティーズデール、マーク・ウィリアムズ『マインドフルネス認知療法-うつを予防する新しいアプローチ』越川房子監訳、北大路書房、2007年。ISBN 978-4762825743。(原著 Mindfulness-Based Cognitive Therapy for Depression, 2002)))、『マインドフルネス&アクセプタンス-認知行動療法の新次元』 ((S.C・ヘイズ、マーシャ・M・リネハン、V.M・フォレット『マインドフルネス&アクセプタンス-認知行動療法の新次元』春木豊監修、武藤崇訳、杉浦義典訳、伊藤義徳訳、ブレーン出版、2005年。ISBN 978-4892428173。(原著 Mindfulness And Acceptance, 2004)))、『自傷行為治療ガイド』 ((B.W.ウォルシュ『自傷行為治療ガイド』松本俊彦訳、金剛出版、2007年。287ページ。ISBN 978-4772409568。(原著 TREATING SELF-INJURY: A Practical Guide,
ティモシー・リアリー サイケデリック サイバーカルチャー 人物 心理学・精神医学 by まぼろし - 2008年9月23日2018年8月7日0 ティモシー・リアリー(Timothy Francis Leary, 1920年10月22日 - 1996年5月31日)は、意識の自由を探求し続けた心理学者である。初期にはサイケデリックスにより、後期にはパーソナルコンピューターによるサイケデリック革命を提唱し、死期に際しては死の概念を大きく広げた。彼が文化に与えた影響は計り知れない。 Timothy Leary - setup, and tripping version by maboroshi. https://www.youtube.com/watch?v=q3L5pzQ3AMM&width=427&height=240 ティモシー・リアリー トレイラー ティモシー・リアリー [DVD]ティモシー・リアリー博士の生涯Amazon.co.jp 475
心理学―その全外観の物語 サイケデリック 医療 心理学・精神医学 by まぼろし - 2008年8月31日2018年8月7日0 心理学(サイコロジー、psychology)は、心に関する学問である。 psychology - maboroshi edition. psychologyは、心を意味するpsyche(プシュケ)と学問も意味するlogos(ロゴス)の組み合わせとなる。1734年、ドイツの哲学者のクリスティアン・ウォルフ(Christian Von Wolff、1679年 - 1754年)が 心理学(pshicologia)という言葉をはじめて用いた ((『人間理解の科学-心理学への招待-第2版』鈴木清・編、ナカニシヤ出版、2002年。5-6ページ。ISBN 978-4888487153。))。 概要 紀元前から、哲学者によって心に関する考えが繰り広げられてきた。18世紀にメスメルによって体系化された催眠が行われるようになると精神疾患の治療が行われるようになり、19世紀後半には実験をともなった科学的な心理学が開始される。20世紀に入ると、フロイトの無意識の発見による精神分析と、刺激と反応を客観的に観察し科学性が重視された行動主義心理学が勢力を伸ばしはじめる。20世紀半ばには、精神疾患を治すだけではなく人間の成長の可能性を追求し自己実現を目指す人間性心理学と、さらに科学性を増した薬理学・脳科学・認知心理学が発達していく。20世紀後半には、意識の発達可能性が追求され個人的なものを超えた成長を視野に入れたトランスパーソナル心理学が誕生する。トランスパーソナルとは、自己を超えた意識であり、究極的には自己と他者や自然との境界を超え融合するということである。このとき、人間が利用するものとして神が与えた自然というキリスト教神学の教義 ((環境思想で考える 第16回 キリスト教にかけられた“嫌疑” (日経Bp・ITPro、2008年10月15日)))が崩れ去ってしまう。マインドフルネス(気づき)という状態を保つという仏教の禅修行そのものである手法が精神疾患の治療に効果をあげている ((B.W.ウォルシュ『自傷行為治療ガイド』松本俊彦訳、金剛出版、2007年。ISBN 978-4772409568。153-154、287-294ページ。(原著 TREATING SELF-INJURY: A Practical Guide, 2006)))。外部に神と天国を想定するキリスト教神学よりもむしろ仏教のような無神論、あるいは自己の内部に神を見つけるということになればローマ・カトリック教会の教義 ((第6回 「神の場所(6)-「救い」とは何か」 (佐藤優・キリスト教神学概論、2008年3月5日))) ((第9回 「日本キリスト教の精神的伝統(3)」 (佐藤優・キリスト教神学概論、2008年3月26日)))に反してしまうということになる。 505