本物の大麻を着る / 薬用大麻・幻覚剤の時代 未分類 by まぼろし - 2022年5月5日2022年9月28日0 一時期に見まくっていたアニメは見なくなったけど、Sonny Boy という不思議で緩いアニメは面白かった。ドラッグ情報も10年以上ずっと読んでるから、今は興味がない時が多いけどニュースとかを調べてみます。これらの問題の根底は、事実と法律の違いですね。情報の時代、科学的根拠の時代が法律など世界を大変革していっている。 本物の大麻を着る 本物の大麻の洋服は少ない。原料が「麻」という大きな括りだと、絹が混ざっていたり、大麻(たいま、ヘンプ)ではなくて亜麻(あま、リネン)の製品も多いから細かく確認しないといけない。着物とか和装の素材では、苧麻(ちょま、ラミー)もある。 これら麻素材はひっくるめて、通気性がよくて涼しい素材で暑い季節に向くと知られているけども、大麻布では冬にも使われると知られている。 2015年にエイベックスらが開発し、伊勢丹が商品化した「麻世妙」(まよたえ)という大麻の布がある。麻は春夏向け素材だと知られるが麻世妙は保温性もあり秋冬にも展開、として紹介されていた [1]大麻で紳士婦人服 三越伊勢丹HD、新ブランド展開”. 日経MJ(流通新聞): p. 7. 2015年4月3日。確かに冬用のジャケットにもよく使われていた。 麻布は肌着に冷たく当って、防寒の用には適せぬように思われるが、細かい雪の降る土地では、水気の浸みやすい木綿を着るのはなお不便だから、いわば我々の雨外套のかわりに、麻布を着て雪を払っているのであった。 柳田国男『木綿以前の事』 麻世妙が出てきて数年、全体の半分くらいは大麻とか部分的に大麻のものが多かったし、伊勢丹系列でめちゃ高かったし、個々のブランドに見に行ってもあまり置いてない。あと麻世妙のタオルなどファブリックも出すと言っていたけど出てこない。代わりに、2017年には以下の、Ruderalsっていうブランドの大麻100%のTシャツが、Amazonから6000円くらいで買えたんで、年中毎日着ていたんです。今は売っていない。大麻や麻の布は、編み目が粗いから夏はスーッと風が通るんで涼しい。上のような解説を読んでいたんで、冬でも下に着てみると、湿らないし寒くもならないという感じでちょうどよかった。 Ruderals ヘンプ100%Tシャツ – Amazon Tシャツは完売し2020年からソックスとのこと。 2021年になって麻世妙のTシャツが販売されている。https://majotae.com/ 19800円か58300円でかなり高い。日本産大麻100%使用。大麻布の展開と流通はゆっくりに感じるけど、進んでいっているのは嬉しい。 こういう布をはじめとした薬用ではない産業大麻では、20世紀半ばには数万人いた生産者が、日本ではなぜか絶滅しそうなくらいに減っている。1934年に10,000ヘクタール、2012年ごろでは5ヘクタールしかない[2]松田恭子「今から始める大麻栽培」『農業経営者』2012年9月号。諸外国では数千、数万ヘクタールを生産してる。 一番古くから話すと、神道では作物の豊穣を祝ってご飯を捧げるんです。同じように布も捧げるんで、古代は麻系の布しかなかったし、重要だったり伝統があるほど古式そのままの儀式をやる。天皇陛下も米の苗を植えるように、大麻は種まきから三木家がやることになっている。 「大嘗祭<だいじょうさい>で献上、麁服<あらたえ>に使う麻の種まき 桜満開の徳島で」、2019年4月9日、朝日新聞デジタル。 伊勢麻・振興協会というのがあるけど、中心的神社の伊勢神宮でも伊勢産の大麻を使いたいということでしょう。大麻生産を絶滅しようにも、日本では神様の側にあったからという、核の部分の戦いとしてこんな興味深いものはない。伊勢神宮では違う漢字があてられて荒妙<あらたえ>の着物を作ります。何年も前から申請の交渉の結果で伊勢で栽培されていて、このたび栽培地を増やそうとしたら高額なフェンスをつけるなどの条件をつけられた、と。 椎谷哲夫「三重県が厚生労働省方針の内容を逆に伝える文書を作成 大麻栽培規制を巡り県議への説明に使用」、2022年5月2日、東京新聞。 「「大麻」活用へ勉強会 安倍元首相ら」、2022年4月27日、時事通信。 外国では何千ヘクタール以上と今なお生産されているのに、日本では5ヘクタールとかまで、もう少しで絶滅するところまできている。なぜ外国では生産できるのかというと、国際条約で産業大麻は規制されていないので、規制される根拠がまったくないからです。日本でも大麻取締法で免許制としている。日本は潔癖症でこの免許を絞りに絞って、ほとんど誰も生産できないところまで行ってしまったんですね。このニュースにもあるよう、最近は、厚生労働省も緩和しろと言っているみたいだ。 また同時期に自民党有志による、麻の活用勉強会が発足、最高顧問に安倍晋三・元首相がついたということでまた進展しそうです。伊勢麻のTシャツとか、スピリチュアル好きな人に売れそうな気もするんですけどね。 規制されているTHC 薬用としての大麻、こっちも個人的信念とか、健康福祉の自由とか宗教戦争の様相ですね。大麻の規制されている成分はTHCです。このTHCが含まれている薬用大麻も、国連が2020年に大麻を「最も危険」な分類から削除したんです。国連の分類から国際条約が生まれていて、国際条約から各国の法律が生まれているので、今度は各国は自分の国の取締法を見直さないといけないんですね。カナダの大麻合法化など、先に見直してきた国もあります。ジャマイカでは、レゲエの信仰の自由の大麻を許可しました。簡単な薬物所持のような軽犯罪は罰金など非犯罪化の対応をしよう、というのも国連の新しい考え方で、持続可能性を重視したやり直しの効く社会を作るためです。 何が起きたかというと、大麻に医療用途がないのでひたすら規制しようというのがなくなって、医療大麻が承認されたということです。大麻の「害悪のある成分」とかでなくて、「乱用性のある薬用成分」に価値認識が国際的に格下げになったということです。大麻は娯楽的に楽しかったり、抗不安効果とかもあるので乱用はされやすいけど、依存性や致死性では比較的安全な薬物だとされている。なので、条約とかの「危険」というのは、「乱用の危険性」です。これは「致死性」とか「依存のやっかいさ」とか、本当の重要な危険性とかけ離れている、分類上の呼び方としての「危険」ということです。 国際条約の分類方法 医学用途が知られていない という意味での 「最も危険」という呼び方 スケジュールI 大麻の国際条約ではスケジュールIV 乱用性が高い という危険性がある・医学用途はある スケジュールII 大麻の国際条約ではスケジュールI 乱用性がない・医学用途はある スケジュールIII WHO Expert Committee on Drug Dependence 世界保健機関・依存性薬物専門委員会の報告書 この報告書の体裁が、物質ごとに、依存および乱用性があるか、医療用途があるかを調査し「なのでスケジュール〇〇の分類を勧告する」となっている。致死性とかも少しは書いてあるけど、主にそうなってる。 日本での医療大麻の合法化議論では、国際上なんの規制もないCBDを中心になりそうな感じはある。でも本来はほかの鎮痛薬の副作用の強さから、THCを含めた医療大麻という、効果がありつつ副作用の有利な薬が発見されてきているわけです [3]Schlag AK, Hindocha C, Zafar R, Nutt DJ, Curran HV (2021). “Cannabis based medicines and cannabis dependence: A critical review of issues and evidence”. J Psychopharmacol 35 (7): 773–785. doi:10.1177/0269881120986393. PMID 33593117. [4]Nutt DJ, Phillips LD, Barnes MP, Brander B, Curran HV, Fayaz A, Finn DP, Horsted T, Moltke J, Sakal C, Sharon H, O’Sullivan SE, Williams T, Zorn G, Schlag AK (2021). “A Multicriteria Decision Analysis Comparing Pharmacotherapy for Chronic Neuropathic Pain, Including Cannabinoids and Cannabis-Based Medical Products”. Cannabis Cannabinoid Res. doi:10.1089/can.2020.0129. PMID 33998895.。病気もつらいが、その病気の薬の副作用もだいぶつらい。大麻は、そういう領域でより安全な薬として再発見されている。依存性の観点でも毎日のように飲むなら有利です。健康のためにも、使えるようになっておいてほしい。 CBD 規制なし 鎮痛・抗不安 依存性なし 致死性なし THC 規制あり 鎮痛(CBDより上)・抗不安 乱用性あり 大量長期使用からの急激な中断により、医療が不要な程度の離脱症状が起こる可能性 致死性なし モルヒネなど狭義の麻薬 規制あり 鎮痛・抗不安 重度の離脱症状が起こる可能性 大量摂取で致死性あり プレガバリン(リリカ) 規制なし 鎮痛 乱用性あり・ほかと比較すると軽い離脱症状あり まれに肝障害などで死亡 抗うつ薬 規制なし 鎮痛・抗うつ 離脱症状が困難かつ・長期化する可能性あり 大量摂取で致死性あり 幻覚剤の医療研究 幻覚剤を精神治療に利用しようと製薬会社が色々出てきた [5]TDR’s Top 5 Psychedelic Developments For The Week Of September 19 , 2022-9-24, TDR。翌日には効き7割の人に著効、つまり症状を7割軽減、一度の使用で少なくとも数か月うつ症状に有効とかそういう画期的な効果がある。 MDMAは、愛や共感感覚を起こす、広い意味で幻覚剤。心理療法と併用して2/3の人でPTSDを完治させてしまう。アメリカで承認を早くする画期的治療法にも指定されていて、最終である第3相治験まで終わったので、2023年までには承認されると言われている。 Mitchell JM, Bogenschutz M, Doblin Rick et al(2021), MDMA-assisted therapy for severe PTSD: a randomized, double-blind, placebo-controlled phase 3 study, Nature medicine (27), pp 1025–1033. Compass Pathways(コンパス・パスウェイ)による治験が一番注目で、マジックマッシュルームの幻覚成分、シロシビンのうつ病に対する臨床試験で、英米での第3相治験に進もうとしている(2022年後半)。これが英米で通ったら世界的に大きな突破口になるだろう。PTSDでも第2相治験を進行中。 Compass Pathways の試験では、1回のシロシビン投与で効果は12週間持続した。同社は特定の形態のシロシビンに対する特許を持っているが、収益化が難しくなることも予想され。理由は、シロシビン自体はキノコに含まれ特許がないし、幻覚剤が非犯罪化されている運動によって、また違法にも使用することができるため。[6]COMPASS Pathways: the biotech aiming to beat depression with magic mushrooms、2022-9-8、Money Week その治療セッションはシロシビンの持続時間としての6-8時間かかるので、短縮できる他の治験が出てきた(以降で紹介)。 Compass Pathways のシロシビン特許の記事。 Shayla Love, Can a Company Patent the Basic Components of Psychedelic Therapy?, VICE, 2021-2-10. Shayla Love, Judges Deny Challenge to Psilocybin Patent, VICE, 2021-6-23. Revive Therapeutics では、覚醒剤依存症に対するシロシビン。 MindMed (Mind Medicine) は、LSDによる全般性不安障害の治療の、第2相治験が2022年に進行中で、1回200µgの投与後の4週間の不安症状の軽減や12週間後までの計測を試験する [7]MindMed announces initial patient dosing in phase 2b trial of LSD-based anxiety treatment , 2022-9-7, Healio。持続時間で言えば、LSDは8-12時間と言われている。試験対象は、うつ病ではなく不安障害。 Cybin(サイビンかな)は、うつ病へのシロシビン舌下フィルムで第2相治験[8]幻覚ドラッグでうつ病治療を目指す医薬品メーカー、Cybinの挑戦、FORBES Japan、2021年5月。これは重水素化シロシビンとして特許をとっており、体験時間が半分とされる(3-4時間か?) [9]Cybin Announces Positive CYB003 Data Demonstrating Significant Advantages Over Oral Psilocybin for Treatment of Mental Health。 DMTの医療研究 DMTでは、向精神薬条約で規制されているが、民族医学・宗教儀式としての植物の使用は、この条約の32条4項で規制しないとしている。なので、DMTを含有するアヤワスカが使用されていて、そちらの臨床試験もあります。すぐに効果が表れ持続的な抗うつ効果が見られています [10]Rapid antidepressant effects of the psychedelic ayahuasca in treatment-resistant depression: a randomized placebo-controlled trial, 2019.。そうでなくて、最近になってDMT自体が薬にしようとされていて、喫煙あるいは注射では治療セッションを非常に短く、30分ほどに短縮できるからでしょう。そして、いくつか結果が出ていて効果があるみたいです。 Cybin は、またDMTを不安障害に用いる研究を Entheon Biomedical から買収しており、重水素化 DMT として特許を取得し、喫煙か注射かを第1相試験を通じて決定する予定 [11]Cybin Completes Acquisition of Phase 1 DMT Study from Entheon Biomedical, 2022-6-11, Business Wire。Entheon Biomedical がDMTによる研究を行っており、Cybin が重水素化 DMTの研究を行っていたということです [12]The Real Reason Cybin Bought Entheon’s DMT Clinical Trial。 Small Pharma はDMTをうつ病に使用する臨床試験で第2a相の試験を開始、30分未満の治療で12週間効果が続くかを試験です [13]Small Pharma Completes Enrollment in Phase IIa DMT-Assisted Psychotherapy Clinical Trial in Patients With Major Depressive DisorderDosing for primary endpoint now complete, 2022-9-19, BioSpace。 Biomind Labs はうつ病に対する吸入DMTで第2相開始 [14]Biomind Labs Announces Completion of Dosing in Phase II Trial of Its DMT-Based Inhaled Formulation BMND01 for Treatment-Resistant Depression。 GH Research による吸入5-MeO-DMTのうつ病に対する臨床試験結果では、1日後には効果があり、サイケデリック体験(神秘体験)を起こすまで吸入量を増加させたグループでは、7日目でも8人中7人(87.5%)が完全に寛解していた(うつ病の基準を満たさなかった。ちょっと多すぎて数値には偏りがあるかもだが)[15]GH Research PLC (題名はどれ?適当w), 以下の資料を含む: ClinicalTrials.gov 識別番号: NCT04698603 の “A Phase 1/2 Trial of GH001, a Vaporized 5-Methoxy-N,N-Dimethyltryptamine Formulation, inPatients with Treatment-Resistant Depression (TRD)”。 Algernon Pharmaceuticals は、DMTによって脳卒中の神経損傷から脳神経の再生を促す治療です。臨床試験の監督に、イギリス脳卒中医師会の元会長アンソニー・ラッドが任命されており、第2相治験がはじまりそう[16]Algernon Pharmaceuticals Completes Manufacturing of Psychedelic Drug DMT Appoints UK Stroke Experts for Phase 2, 2021-12, Algernon。インペリアルカレッジ・ロンドンのデビッド・ナットがAlgernon社のコンサルタント[17]Algernon Pharmaceuticals granted approval for Phase 1 human DMT study for treatment of stroke in the Netherlands, 2022-7-12, Proactive。 幻覚剤の合法化運動 幻覚剤の臨床試験の効果は、多様な形で確認されてきているので、大麻の国際規制が格下げになったような規制の格下げが続くのは時間の問題でしょう。 草の根運動的な大麻の合法化運動の次は、幻覚剤の合法化とみられており、実際アメリカで地域的に幻覚剤では逮捕しないとする条例が出てきている。医療に使えるし、飲みすぎても死なない・依存性が低いなど危なくないからですね。 米国で幻覚キノコ狩りが静かな人気、都会の庭や植え込みに自生、『ナショナル・ジオグラフィック』、2022年5月 出典[+] 出典 ^1 大麻で紳士婦人服 三越伊勢丹HD、新ブランド展開”. 日経MJ(流通新聞): p. 7. 2015年4月3日 ^2 松田恭子「今から始める大麻栽培」『農業経営者』2012年9月号 ^3 Schlag AK, Hindocha C, Zafar R, Nutt DJ, Curran HV (2021). “Cannabis based medicines and cannabis dependence: A critical review of issues and evidence”. J Psychopharmacol 35 (7): 773–785. doi:10.1177/0269881120986393. PMID 33593117. ^4 Nutt DJ, Phillips LD, Barnes MP, Brander B, Curran HV, Fayaz A, Finn DP, Horsted T, Moltke J, Sakal C, Sharon H, O’Sullivan SE, Williams T, Zorn G, Schlag AK (2021). “A Multicriteria Decision Analysis Comparing Pharmacotherapy for Chronic Neuropathic Pain, Including Cannabinoids and Cannabis-Based Medical Products”. Cannabis Cannabinoid Res. doi:10.1089/can.2020.0129. PMID 33998895. ^5 TDR’s Top 5 Psychedelic Developments For The Week Of September 19 , 2022-9-24, TDR ^6 COMPASS Pathways: the biotech aiming to beat depression with magic mushrooms、2022-9-8、Money Week ^7 MindMed announces initial patient dosing in phase 2b trial of LSD-based anxiety treatment , 2022-9-7, Healio ^8 幻覚ドラッグでうつ病治療を目指す医薬品メーカー、Cybinの挑戦、FORBES Japan、2021年5月 ^9 Cybin Announces Positive CYB003 Data Demonstrating Significant Advantages Over Oral Psilocybin for Treatment of Mental Health ^10 Rapid antidepressant effects of the psychedelic ayahuasca in treatment-resistant depression: a randomized placebo-controlled trial, 2019. ^11 Cybin Completes Acquisition of Phase 1 DMT Study from Entheon Biomedical, 2022-6-11, Business Wire ^12 The Real Reason Cybin Bought Entheon’s DMT Clinical Trial ^13 Small Pharma Completes Enrollment in Phase IIa DMT-Assisted Psychotherapy Clinical Trial in Patients With Major Depressive DisorderDosing for primary endpoint now complete, 2022-9-19, BioSpace ^14 Biomind Labs Announces Completion of Dosing in Phase II Trial of Its DMT-Based Inhaled Formulation BMND01 for Treatment-Resistant Depression ^15 GH Research PLC (題名はどれ?適当w), 以下の資料を含む: ClinicalTrials.gov 識別番号: NCT04698603 の “A Phase 1/2 Trial of GH001, a Vaporized 5-Methoxy-N,N-Dimethyltryptamine Formulation, inPatients with Treatment-Resistant Depression (TRD)” ^16 Algernon Pharmaceuticals Completes Manufacturing of Psychedelic Drug DMT Appoints UK Stroke Experts for Phase 2, 2021-12, Algernon ^17 Algernon Pharmaceuticals granted approval for Phase 1 human DMT study for treatment of stroke in the Netherlands, 2022-7-12, Proactive
あたらしい世界へ 未分類 by まぼろし - 2021年5月5日2021年5月5日0 池袋シネマサンシャインの12F、日本最大のIMAXで映画シン・エヴァンゲリオンを見た(完全対応ではなく横長画面だったけど)。というか、それまでエヴァをじっくり見たことがなかった。2020年から「エヴァの新映画公開するする詐欺」が2回あったので、2回も「映画を見に行くならアニメからじっくり見なきゃ~」と思ってほぼ全てのエヴァの動画を見る余裕ができ(細かいバージョン違いがあるのは飛ばして)、それだけ見ても意味が分からないアニメだった。さらにオリラジ中田のエヴァ解説4時間Youtubeを見て、万全の状態でこのシン・エヴァを見た。(それに比べてギャグアニメの映画・銀魂ファイナルは不完全状態で見た・アニメだけで367話もある) 主題歌は、宇多田ヒカル One Last Kiss 寂しくないふりしてた まあ、そんなのお互い様か 誰かを求めることは 即ち傷つくことだった こういう歌詞があるけど、主人公たちは完璧なヒーローではなく複雑な親との関係の中にいる。そういう暗い場面が好きじゃなくてじっくり見てなかった。この歌詞はアニメの中では特にシンジのことだろうけど、多くの人が自分と重ねて見たり、そうでなくてもそれが分かるような描写だから面白くなってくる。みんな弱さを隠そうとして、ずれてしまって人とぶつかる。 男性的なゴツゴツしたロボではなくて、エヴァという乗り物は流線型で、生物で獣のように暴走することがある。アニメは20話あたりからエヴァの戦闘ではなく、精神世界のぐちゃぐちゃを描き出すんだけど、これもそれまでのアニメとは違うんだろう。斬新だったんだろう。幻覚剤が世にあふれ、心の世界に焦点が当たったのが90年代でこの時代のアニメだ。この精神世界ぐちゃぐちゃの展開も、敵の使途の攻撃だったと解釈される。いつしか敵は物理的ではなくて精神的に攻撃をしてきた。暗い感じで、最終回26話では、何もない世界に行ってしまう。仏教の小さい悟り。仏教用語で空無辺処など。それは小さな救いの要素。何もない世界は、すべてはひとつなんだけど、やはり何もない。そこから他人がまた出てきて(仏教の縁起)、アスカが「やっと分かったの?バカ、シンジ」と叫んで平凡な日常が再開する。自分がここに居ていいんだ、って、戻ってきたのが平凡な日常。アニメっぽいな終わり方だとは思うけど。 この最終回を長時間にして描きなおした20世紀最後の映画が、劇場版「Air/まごころを、君に」(1997年)で、サイケデリックに、もっとバットリップのような世界にぶっ飛んでいる。ヴィジュアルでは「聖とグロテスク」、内容では精神のぐちゃぐちゃ、主体と客体の混合、また無へと極まってから、そこから再び他者を求めて、縁起で現実に帰ってくる。「The end of evangelion One more final: I need you.」とテロップが出てきて、「エヴァの終わり、もうひとつの終わり: あなたが必要」だと思うんだけど、また最後にはアスカが出てきてシンジは泣くんだ。いろいろ解釈はあるけど、わけの分かんない他者がまた現れた世界が嬉しくて泣いたんだと思う。個人的にそう思ってる。 この最後の映画から、新たに10年後に新劇場版がはじまり、ストーリーが変わらない「序」から、徐々にストーリーに変化が現れ新キャラのマリが出る「破」、意味不明な「Q」まで進んだ。だから新劇場版だけでも一応完結はする。「Q」からは、特に幾何学的に動く機械が現れるようになってヴィジュアル的に「聖とグロと幾何学」へとブッ飛び要素が増える。マリが出てきたんで、最近のアニメのテーマによくある繰り返し(やり直し)の要素が入ったと解釈される。俺たちは何度もこの世界を少しづつ変えながらやり直す。これが合わさったのが、今回の最後の「シン・エヴァンゲリオン」で、「Air/まごころを、君に」を超える展開、もうこれまでとは違う展開になっていく。ついにシンジの親父のゲンドウまでトリップしだす(オヤジまで幻覚剤を飲んだかのように)。みんなでトリップしつつ、心のロックが深いところで氷塊していく。これはもう上手くいった幻覚剤トリップのような。希望にあふれる終わり方になっていて、ここまでのぶっ壊れた感じはなかなかないだろうっていう、伝説的なアニメとして完結した。 幻覚剤や薬物の新刊 マイケル・ポーラン『幻覚剤は役に立つのか』 『幻覚剤は役に立つのか』(原著2018年)は、デヴィット・ナットなど現代の幻覚剤の研究者も紹介され、現行の科学での幻覚剤の作用の仕方の解説のある本です。そろそろ欧米で幻覚剤が医薬品として販売されてくるので、そういう前提にある本。 デフォルトモードネットワークの説明もある。これは雑念のことだと解釈しているけど、特に何にも集中していない時(あとは寝る前)にふらふらとさまよいだす心のことだと思うけど、思考がダラダラとさまよっていて延々とよくない思考を繰り返したりする。幻覚剤の使用後には、ここに変化を与えていて、うつ病などに持続的な効果があると現代的には解釈されている。 で、この本には関係ないけど、これを止めるには何も幻覚剤だけでなくて、気づいて停止すること(この能力は仏教的には伸びることになっている)、前向きになったり(ポジティブ心理学が勃興しているのでそれ調べると良い)、気分転換をすること、何かに集中すること、快感のある薬物(カフェインでもアシュワガンダでもそうだ)でごまかすこと(以上のような依存性・副作用の少ないものがいい)、気心の知れた人との談話や触れ合いによるオキシトシン分泌から、セックスでも同じ要素かと。 ヨハン・ハリ『麻薬と人間 100年の物語』 『麻薬と人間 100年の物語』(原著2015年)は、薬物全般が対象で、古い禁酒法の時代から規制薬物(当時は酒の密売)がマフィアの資金源となり規制が逆効果を生んできたという内容で、最近のアメリカでの大麻の非犯罪化まで話題を連続させている。強引な規制が薬物以上に破壊的な結果をもたらしてきた。 2020年後半では、薬物規制条約の中で、大麻は「最も危険」(ほぼ利用不可のような)という分類から一段階下がった(乱用に気をつければ利用できる)。こうした流れで世界的にもオピオイド(厳密にはこれが麻薬、摂取量を間違えると死ぬ)が減って、大麻(摂取量で死ぬことはない)が増えてきた。 それ以外では、国連が持続可能な開発目標(SDG)ということを言い出して、政策や企業の動向を決めるのに非常に重要になっている。化粧品でも欧米ではクリーンビューティーが勃興してきて、持続可能性に配慮した製品を作るブランドが注目されてきている。薬物政策について国連は、人権を重視しよう、簡単な薬物所持のような軽犯罪は逮捕ではなく罰金など非犯罪化の対応をしよう、人権を重視して犯罪者として扱わず、治療し、社会に再統合させよう、など大きく方向転換している。人間も持続可能なように薬物政策をとろうということですね。壊れていく世界と、やり直そうとする世界。希望が見えるのはどっち。
幻覚剤の効き方 サイケデリック 医療 by まぼろし - 2020年10月1日2021年5月5日0 自分は家で酒を飲まない人だったんだけど、コロちゃん(コロナ詐欺)の少し前に赤レンガのイベント「鍋小屋」で全国の鍋と日本酒を勢ぞろいというのでベロベロになってから前に増して酒が楽しくなって、アブサンを晩酌するようになって。それも飽きてきたらアニメばっか見てた。 見たアニメは「このすば」(ギャグ系)から始まって「Re:ゼロ」「転生したらスライムだった件」「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」、「まどか☆マギカ」「東のエデン」「エヴァ」も見直したし、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は全話泣かせに来る感じで、映画まで見に行ったら、周りはお通夜みたいにすすり泣いてた。「鬼滅の刃」の主題歌を歌ってるノリのいいロックの歌声の LISA は「Angel Beats!(Youtube音楽にリンク)」でデビューしたんだとか教えてもらったり。転生や成仏というテーマがちらほら出てきて、どちらにしろ心残りや枠組みに気づいて解決するのに死は必要なのかってことだ。今は「ソードアートオンライン」を見始めた。仮想現実のゲームに入っていくアニメ。 池袋シネマサンシャインの12F、日本最大のIMAXで映画TENETを見たけど、ライブのような音量と視覚を乗っ取ることで圧倒的な迫力、感覚の圧倒ではあるけど、まだ別の世界に入ってはいない。幻覚剤は知覚と感情を内部から乗っ取り、記憶へのアクセス障壁も解体する。外部から来ない。ゆえに、リアリティがある。 仮想現実バーチャルリアリティと幻覚剤 仮想現実というのは、今の自分の色々な条件が柔軟に変わった状態。ティモシー・リアリーもその融合、サイバーデリックが精神を再プログラムすると主張していた。いや、晩年はドラッグによるヴィジョンは必要なく、インターネットによる民主主義的な相互教育が必要だと言っている、それで権威を打開しろと、社会をもっとみんなで考えて作れと。しかし幻覚剤と同じく仮想現実は、現在の経験を仮想世界に置き換え硬直した精神を打開する潜在性がある。共に、精神障害の治療研究でも進んでいる。固い頭を柔らかくするツールだ。 この動画を YouTube で視聴 この動画を YouTube で視聴 ガーディアンの記事に紹介されていた映像を上に貼り付けた。 次の論文では、共に一時的に視点を変え、精神の固定的なパターンを混乱させると説明している。2つ目の論文は、シロシビンが起こした神秘体験と同等の体験が仮想現実でも起こったとしている。後者だと法規制がない点が研究にも有利そうです。 Jacob S. Aday, Christopher C. Davoli, Emily K. Bloesch (2020). “Psychedelics and virtual reality: parallels and applications”. Therapeutic Advances in Psychopharmacology 10. doi:10.1177%2F2045125320948356. David R. Glowacki, Mark D. Wonnacott, Rachel Freire et al (2020). “Using Multi-Person VR to Design Peak Mystical-Type Experiences Comparable to Psychedelics”. CHI 2020. doi:10.1145/3334480.3383026. コロナによる要請と不況がうつを流行させるため、幻覚剤が役立つだろうという記事。加藤・官房長官が、自殺のない社会をお願いしたと話題になっているけど、英米はもう幻覚剤に舵を切っているので、その変化の臨界点まで日本も行ってほしい。 Ruairi J Mackenzie (2019年12月31日). “Coronavirus pandemic could trigger a spike in mental illness — this organisation thinks psychedelic drugs will help”. ABC Australia ケタミン(NMDA)とシロシビン(5-HT2A) ナット教授は、EU神経薬理学会のボスで、世界最高峰の大学のひとつインペリアル・カレッジ・ロンドンにサイケデリック研究センターを設立した。ナットにインタビューした記事がある。 幻覚剤には、イギリス医学研究会議 (MRC) も出資しているし、ちゃんと臨床試験を経ているということで。大麻はどちらかというと草の根的な抗議運動が主導だった。そこが完全に違うとのこと。マジックマッシュルームは英国で使用されていて(お店で売ってて、おそらく未加工のものは法規制から除外されている)、害は少ないと医薬品・医療製品規制庁を説得したらしい。まあ、しかしそれは健康な人が娯楽的に使った場合で、精神障害があればサイケデリック体験は試練的となることがあり、介助があったほうがいということだろう。年末くらいに、アメリカ連邦法で大麻規制の見直しや、国連規制条約の見直しがあるとされているのに、今のこの研究状況では改正しない方向性が考えられない。一部のアメリカの州では、大麻の合法化に加えてマジックマッシュルームの合法化が可決されてきていて、大麻の次はこの運動かとも言われている。『WIRED』VOL.38を読んでいたら、シロシビンの臨床試験に大塚製薬(おそらく間接的に)も出資していると書いてあった。開発しているコンパスパスウェイ社はこれまで100億ドルを調達し、200億ドルを目指し上場、最終の第III相の治験に向かう予定(ここに治験動向の詳細)。 ナットによれば、一部の精神障害は思考の固定で説明できると考えられている。うつでは同じような暗い考えや認識を繰り返しているし、強迫性障害では架空の恐ろしいものを避けるために過剰に反復的に対処しているし、依存症では禁煙するとたばこのことばかり考えるというように。幻覚剤はこの反復を混乱させる。いや、最終結果を得るには、幻覚剤(や仮想現実)がなくても自分の生活習慣(パラメーター)を変えて、洞察もして固定された価値観を何度も外せばいいのではないかとも個人的に思う。 ケタミンはNMDA受容体に作用する。エスケタミンがアメリカでうつ病のための医薬品になったけど、これは数日間、思考の反復を混乱させる。一方、シロシビンやほかの多くの幻覚剤は5-HT2A受容体に作用している。思考の反復は数か月以上混乱する。そして、5-HT2A受容体は今までと異なった考え方を可能にすると説明されている。なので、シロシビンの方が有望なんだと思う。 たしかに、幻覚剤が脳の連携の仕方を変えると脳スキャンで分かっているけど、思考を変えるには、洞察も必要かと思う。「私は○○だ。だから△△だ」そして感情に現れ、行動が現れ、というような。どこからか洞察して「△△というわけでもない」と変えていく。頭をやわらかくしていく。楽になって生き残ればいい。場合によっては、集団的なそれ(社会の価値観)に巻き込まれないようにも、どんどん解除していかないといけない。自分が動きやすいところまで重りを外せばいい。 Ruairi J Mackenzie (2019年12月31日). “The Neuroscience of Psychedelic Drugs: Ending Psychedelic Myths With Professor David Nutt”. Technology Networks. 長大な日本語の記事には、2016年に米国食品医薬品局 (FDA) がシロシビンをうつ病に拡大してみないか、欧州医薬品庁 (EMA) がもっと大規模試験にしたらどうか、と提案したという情報が書いてある。 生まれ変わり 以下の橘氏の記事の解説が優れているのは、思考の反復を今風のデフォルト・モード・ネットワーク (DMN) という単語と結びつけて解説して、幻覚剤がデフォルト・モード・ネットワークを後退させるため、新しい認識が可能になるという部分。新しい説明の仕方がされている。子供のころは少なかったデフォルト・モード・ネットワークの活動は、大人になると増えていくため、感じ方が子供のころに戻る。別の研究者は生まれ変わりができる可能性がある「フェニックス効果」と呼び、それを実証しようとしている。 フェニックス効果は、十代の多感な時期のことだろうか。デフォルト・モード・ネットワークは、集中状態にない時の雑念のことだろうか。よく知らないけど、そうだろう。 橘 玲 (2020年9月24日) 「欧米では、うつ病や末期がん患者へのLSDなどを使った幻覚剤治療が急速に再評価」ZAI。 Gigazine (2020年9月1日) 「LSDなど幻覚剤を投与されると脳が子ども時代に戻るという「フェニックス効果」とは?
2020年以降、サイケデリック治療が主流になる理由(付・自然療法) サイケデリック 心理学・精神医学 by まぼろし - 2020年2月9日2020年10月7日0 幻覚剤の使用が主流になるのは確実だと思っているし、日本語のニュースも以前より増えている。 サイケデリック・ルネッサンスの動向 これまでよく使われた承認された精神の治療薬は、効果はそこまで大きくない、副作用は重篤でホンモノといった感じです。効果は症状の改善にとどまる。副作用は強く、劇薬の指定や強い身体依存性がある。仮に2割治すとするけど、しばしば飲み続けることになる。長期で飲むと強い依存や代謝異常・内臓障害も増えるので、ダメならほかのもっと無害な方法を組み合わせて立て直さないといけない。 論文 エビデンスに基づく精神医学評議会 (英語) 論文 有効性と副作用のデータ解析をしている人のPubmedの論文 その人のサイト deadlymedicines.dk そういった状況でケタミンがうつ病を治してしまう(仮に7割治すとする)ことに注目が集まり、そのS体が2019年3月、うつ病に使うエスケタミンとして医薬品 Spravato になりました。R体もあってこっちは日本の大学が研究中です。 PTSDに対するMDMA併用療法の承認が秒読み段階です。これもPTSDを治してしまう。依存性は少ないし飲み続けない。治験最終の第III相試験が進行中でアメリカで2021年に承認予定となっている。もともと以前に画期的治療法 Breakthrough therapy の指定がされていて承認が迅速化されるのだけど、2020年には治験中の治療に重症患者がアクセスできる「拡大アクセス」をアメリカFDAが承認。承認前だけどもう使えます。自閉症のコミュニケーションとアルコール依存症でも臨床試験がある。 論文 MDMA-assisted therapy: A new treatment model for social anxiety in autistic adults MDMAの安全性評価、オープンアクセス ニュース MDMA for PTSD granted Expanded Access by FDA, patient treatments begin 拡大アクセスの承認 マジックマッシュルームの成分シロシビンは、うつ病の治療薬として第IIB相の治験中でしかも多国籍でやってる。イギリスとアメリカで同時進行で承認されれば抜群の影響力です。これもアメリカで画期的治療法の指定もある。MDMAの後くらいに承認されるのでは。大量生産のために遺伝子組み換えした菌がシロシビンを製造できる技術が開発されてきた。禁煙でも臨床試験がある。ケタミンが1回効果が1週間程度は続くのに対して、シロシビンは治療から3か月、半年後でも効果が続いている。今は飲んでいないのに効果が続いているということです。効果はホンモノで、副作用はささい。逆転してくる。 5-MeO-DMTでもアヤワスカではなく、短時間で抗うつ作用があるという研究がある。吸入だろう。ヒキガエルが分泌するという方向からも注目されている。 ニュース COMPASS Pathways and King’s College London Announce Results From Psilocybin Study In Healthy Volunteers ニュース Could DMT Psychedelic Become A New Treatment For Anxiety And Depression? 統合失調症の薬は幻覚剤では欠けているんで、大麻の合法成分のCBD(カンナビジオール)が唯一で、ドイツでは Arvisol という医薬品の治験まで行われている。 論文 カンナビジオールの治療効果とその作用機序 論文 Cannabidiol (CBD) as an Adjunctive Therapy in Schizophrenia: A Multicenter Randomized Controlled Trial ニュース Klinische Studie zur Wirksamkeit von Cannabidiol CR (Arvisol) als Zusatztherapie zu einer Behandlung mit Olanzapin oder Amisulprid im Frühstadium einer Schizophrenie 流れがきているので、薬物規制の根拠である条約を作る国連が変わってきたんですね。1971年からはじまった薬物との戦い(薬物戦争、Drug war)は逆効果だと言われ、北米ではヘロインと医療麻薬の過剰摂取で死亡し、南米ではギャング同士の抗争と取締りによる銃撃戦で大勢が死に、大麻や幻覚剤みたいな依存性も少なく治療効果の強いものが使えずにいる。科学的証拠に基づいて依存は治療し社会への再統合を促し、大麻も含めて再考しよう、研究を確保しよう。「人権と科学に基づこう」と国連が声を大きくして変わってきた。 イギリスでは2018年から医療大麻が使えるんですが、なかなか使われてこないということで2万人参加させる研究のTwenty21 プロジェクトが開始されます。前の記事の自分が字幕をつけた1個目の動画の人、EUの薬理学会のボスが主導してるんで間違いない。 ニュース WHO、大麻およびカンナビノイドの医療的価値を認める勧告へ(解説図あり) ニュース 国連システム事務局長調整委員会(CEB)が「薬物政策に関する国連システムの 共通の立場」で満場一致で支持した声明文の和訳 ニュース 医療目的での大麻の使用に関する2019年2月13日の欧州議会決議 ニュース Medical cannabis trial will target 20,000 UK patients 「論文レビュー」と「オープンアクセス」の増加。論文を探索して研究の流れをまとめた論文レビューが増えているので、すごい情報を得やすい。論文がオープンアクセスになることが増え、読めたきゃ読める、翻訳したきゃできる。それをもう許可してある。知識が変わることで、世界が変わるという仕組みも整った。 あとはマイクロドージングという、七色の世界にぶっ飛ぶ量の幻覚剤ではなくてもっと20分の1とか微量で日常の機能向上程度を目指す使い方があって、その研究も増えています。もともとシリコンバレーで流行り出して研究の裏付けがなかった。これはまだまだ研究が無いですけど、3日ごとに微量のシロシビンとか、将来そういう使われ方になるかもしれない。 その他の話 英語が結構苦手だったんだけど、日本語では読んで濃い情報がもうないんで仕方なく全部の単語をオンライン辞書でひいてやってると、毎年どんどん英語が読めるようになってきてる。文法とかよく分からないんだけど。幻覚剤だけじゃなくて色々と読みます。もっと無害な方法とは・・ 続きを読む
サイケデリックスについてのTED about Psychedelics. サイケデリック 医療 by まぼろし - 2017年6月11日2020年8月19日0 TEDトークは著名人が出演する講演なので、影響力や説得力が強いと思うんですが。サイケデリックスについて、ほんとうに、第一線の研究者の講演がゴロゴロと増えているので一覧にしようと思う。そしたら10本もあった。自分は英語の聞き取りがあんまりできないので、英語字幕ができ次第、日本語字幕をつけようと思います。でも1本の映像でたぶん1日かかるので、大量にあっても困るけれど笑。(TEDの映像でTEDがAmaraに同期していないものはYoutubeにつけた字幕を同期できないと思うので避けた方がいい、同期を監督している人がいないとAmaraでしか作った字幕は再生できない) Please create English subtitle, in these video on the Amara. Because, my hearing ability of english is poor. So, I translate to Japanese subtitle. Maybe, It is easy to use Youtube auto transcript and your review. Notice that TED uploads on Youtube, Contribute on Amara Team TED or not. When you create subtitles in Amara, and TED syncs with Youtube, so, you can see the subtitles on Youtube. この動画を YouTube で視聴 How can illegal drugs help our brains | David Nutt | TEDxBrussels / 違法薬物はどのように私たちの脳を助けるのか English(active), 自分と査読者がつけた日本語字幕! Japanese(active) on Amara 続きを読む
21世紀の薬理学の孵化―アメリカの勢力、イギリスの勢力 サイケデリック 医療 心理学・精神医学 by まぼろし - 2017年4月9日2018年8月7日0 今よりよい薬にはサイケデリックな薬しか今のところ見いだせていないので、どんどんやっていかないといけないので、先端研究者はこれまでにない勢いで突破口を開いている。これらはもう特許がないので安いし、変な陰謀は起こりがたい。 アメリカ国立精神衛生研究所 うつ病へのケタミンの研究はNIMH(アメリカ国立精神衛生研究所)が主導してきたんだけど、使用のためのガイドラインを作れという流れになってきているので、時間の問題。数時間とかでうつ病ではない状態にし、効果は1週間は持続する。 アメリカ精神医学会タスクフォース APA Task Force to Address ‘What’s Next?’ for Ketamine イギリスの勢力 Celia Morgan, Valerie Curran, David Nutt, Anne Schlag, Rupert McShane. “Ketamine treatment for depression: opportunities for clinical innovation and ethical foresight” Lancet Psychiatry 05 April 2017. DOI:10.1016/S2215-0366(17)30102-5 以前の記事 ストレス性疾患とサイケデリック・ルネッサンス genkaku.in 続きを読む
2015年雑記 サイケデリック 心理学・精神医学 by まぼろし - 2015年8月14日2018年8月7日0 日々思うことはいろいろあるんですが、とりとめもなく書きます。 トランスパーソナルのどこ? もちろん、退行と超越の差異を、「合理性」によって乗り越えるという物語です。合理性と考えられたものは、合理性によって葬り去られていき、そしてだいぶ合理的に超越寄りになってきている。呪術的ではないんです。 ケン・ウィルバーのいう前・後(プレ・ポスト)の混同は、過去の病理学ではすべての神秘体験が病的な幻覚であるとか、精神病者が見るものであるとかされてきた。しかし、もう45年くらい前に新しい勢力が、人間性心理学から、トランスパーソナル心理学を脱皮させ、神秘体験を超正常な体験であると位置づけ、合理的な証拠によって裏付けてきている。 それは薬物の有害性に関してもそうです。 科学ということ 続きを読む