2015年雑記

日々思うことはいろいろあるんですが、とりとめもなく書きます。 トランスパーソナルのどこ? もちろん、退行と超越の差異を、「合理性」によって乗り越えるという物語です。合理性と考えられたものは、合理性によって葬り去られていき、そしてだいぶ合理的に超越寄りになってきている。呪術的ではないんです。 ケン・ウィルバーのいう前・後(プレ・ポスト)の混同は、過去の病理学ではすべての神秘体験が病的な幻覚であるとか、精神病者が見るものであるとかされてきた。しかし、もう45年くらい前に新しい勢力が、人間性心理学から、トランスパーソナル心理学を脱皮させ、神秘体験を超正常な体験であると位置づけ、合理的な証拠によって裏付けてきている。 それは薬物の有害性に関してもそうです。 科学ということ 旧来の科学とは、科学技術であった。現在の科学とは、統計と統計手法を指している。それはサケットとガイアットが、EBMを提唱し旧来の医学を非科学的としたことから大きくはじまり、この合理性が世界を呑み込んでいっている。 科学とは客観的であり、非科学つまり恣意的とは主観的である。客観的とはどういうことか。再現可能な条件を提示して実験し、その結果がものすごいくよいかどうかは、数値で表される。そして、さらに主観を排除するために、ランダム化したり、分母を大きくしたり、基準を設けてチェックリストにしたり、ただの数字になった時、それを単純に並べる。よく知っているからと言って、一番にはしないということですね。 それが20世紀の「主観的な」価値体系を「科学的に」再編している。薬物の有害性、あるいは治療のための有用性がアベコベだと分かれば、法律の議論になり。 幻覚剤のニュース アメリカでは、MDMAの臨床試験がPTSDでフーズIIまで終わった?終わりかけ?なんですが、自閉症に使うというのも進んでいます。 イギリスでは、MDMAとシロシビンの研究をテレビで放送下のに続いて、2015年は、LSDと大麻の研究を報道しています。国民の認識の醸成を図っています。 英語でニュースとかを読むようになって思ったことがあるんだけど。賛成派と反対派、その分野の第一人者のようなプロのはっきりした意見を、ちゃんと報道するし、タイムリーに最新の情勢についていけるようになっているジャーナリズムがいいと思う。 幻覚剤の効果って何なのか考えてみる 世界の認識の変換 これは、幻覚剤(サイケ)の効果であり、他の薬にはない効果です。普段人々は、認識と行動が反復し、パターン化している。つまり、人格となっていると言い換えてもいいし、スキーマとなっていると言い換えてもいい。固定化して自動化した記憶ですね。サイケは、ここに介入する。 色んな文献を読んでいくと、サイケによって、自然がきれいだったりとか世界のすばらしさを感じたり、身の回りの人々のいつもと違う良い側面を思い出したりして、あるいは自分自身について、そうやって捉えなおす、見直す、感じ直すという体験があるんだけど。この感じが、新しい記憶となる。なんか日常にその感じが残る。記憶したまま体験するという作用的な特徴が重要だと思う。 ストレスの軽減 先の記事の論文にも書いてあるんだけどサイケの積極的な効果として、作用時に不安感が軽減するということがある。このことが、認識を変えるのに重要だと思う。非常に安心したときっていうのは、いいことを考えたり、発想が豊かになったり、世界をよくとらえなおすということができたりする。 効果がきれたあとも、その捉え方は残っている、記憶されている。ストレスの軽減は新たな学習を促進させる。良い認識で上書きされる、世界がよいものとして再体験される。 新しい研究は、生涯の自殺率を下げるとか、体験後も主観的な幸福感が増加しているととか述べているんだけど、上記のことが関わっているんでしょう。 アヤワスカ アヤワスカを定期的に摂取している現地人の脳をスキャンした研究は、自分を冷静に見ている部位が成長していると述べている。言い換えると、自己超越的な能力が上達するんじゃないかってことですね。 対人関係療法 対人関係療法が気になりますね。 3~4カ月ほどで修得される核となる演習は、彼/彼女が、現実の対人問題に対応するための行動パターンを、適応的なものに変化させること。 そのことが、3つの変化をもたらす。 自分の能力への信頼となり、自尊心を回復する。 自分でできるという感覚を成長させる。 対人によってつくられていたストレスを軽減する。 これが合わさって、挑戦を可能とする。それは、PTSDのトラウマに対する自発的な挑戦をも可能とする。 理論的な起源は、古い神経症の概念からはじまっている。神経症とは偏った正常への適応である。その適応パターンは繰り返され、パーソナリティとなる。それは固定的ではなく、パターンとは学習である。介入可能である。 リアリーは、パーソナリティを変化させるために刷り込みの概念を使って説明したが、今のわれわれは学習と認識の理論をもっている。 新しい学習は、新たなパターンを習得する。パーソナリティ、狭義には対人関係パターンの変容はトレーニングによって起こされる。それは短期間3~4か月の演習での学習によって起こる、要点に絞った反論のための抵抗の低い交渉技術であり、その学習が世界に対する認識を変容させる。抵抗力のある自我が、その個人の社会を再構築する。 情報、超越、真理がわれらを自由にする 学習モデルの要は、情報を認識することであり、そのための兵器である情報爆弾インターネット。これが今の新しい時代であって、古い非科学的な情報を葬って超越へとたどり着くために、絶大な力を発揮して社会を変えていく。

Psychedelic Science映像の字幕

医学の転換: サイケデリック・サイエンス 2013 ミニドキュメンタリー MAPS・幻覚剤研究会(MAPS:Multidisciplinary Association for Psychedelic Studies)の、2013年のカンファレンスのイントロ映像の日本語字幕をつけました。PCからだと、再生して右部の左から2個目の手紙みたいなアイコンが字幕アイコンです。iPhoneからだと再生して、右下の字幕アイコンです。 ・Psychedelic Science 2013 字幕をつけるためには、字幕のボランティア募集サイトに英語字幕があるので、ややこしい登録とかもなくtwitterでログインをして地道に翻訳をしていけばできます。twitterとかgoogleのIDが使えて、googleには自動字幕起こしと言って、音声をテキストにしてくれる機能もあります。 現在の医薬品は限界がきていることと、こういう研究に注目が集まっていることをとりあげたニュースです。 ・Greg Miller "Open Your Mind to the New Psychedelic Science" , Wired.com, 04.26.2013. それも置いておいて、たまーに翻訳をしたいなと。何を翻訳しようかという。ちょっとしたメモとして。 上のPsychedelic Science 2013のサイトのVIDEOSというところを見ますと一覧が見れます。年に3本の翻訳でも大変だと思いますが、先端の研究者の講義映像が100本とかあります。新しいものも足されていくかもしれない。そこで、重要な映像に絞っていくといいのでは。 ・イントロとか細かなの ・ワークショップ(講義) ・臨床 ・学術 ・アヤワスカ と大きく5分割あります。自分は翻訳して知りたいんです。ジェームズ・ファディマンとか、「シュルギン夫人のシャドウについて」とか、面白そうなものはあるけど、それとかイボガとかよりも、同じ労力で「ラルフ・メツナーのシャーマニズムと心理療法におけるサイケデリックスの使用」とかを知りたいんです。それよりももっと重要なものは、証拠的に固いやつです。導入が早そうなやつ。 まとまらないですが、そのうち3本くらいに絞って。研究者、タイトル、字幕があれば字幕なければ自動字幕起こしでちょっと読み、重複した内容があれば候補から外して、選んで精読の感覚で翻訳できたら。 ・FDAの医療大麻研究の承認が初ですがこれがMAPS関係です。ペンタゴンで会談しています。 ・MDMAと、PTSDだねやっぱり。自閉症の話のほうもオキシトシンの関係で興味があるにはあるけど、PTSDのほうが固い。 ・シロシビンでの依存症治療。1度で持続的に欲求を抑制するのかだけでなく、離脱症状を緩和するのか、そこに言及したものがあれば。 この3つは押さえとけみたいな。あとは。 ・末期ケアの心理的QOL関係 ・脳画像関係 ・アヤワスカ関係

科学的根拠に基づく、新しい薬理学の終焉、古き薬理学の復活

前の記事から約一年、もっぱら薬について情報収集していました。 スケジュールIをどうにかしようという話しがありますが、順に見ていくと不可避な感じですね。 ・David J. Nutt, Leslie A. King, David E. Nichols"Effects of Schedule I drug laws on neuroscience research and treatment innovation"「神経科学の研究と治療の革新におけるスケジュールIの影響」 Nature Reviews Neuroscience. 14, 577–585 (2013) doi:10.1038/nrn3530 スケジュールについて スケジュールIというのは、条約上の規制です。 ・スケジュールI LSDなど医療に使えないと判断したドラッグの規制。 ・スジュールII 医療に使えると判断したドラッグの規制で、アンフェタミンやメチルフェニデートといったもの。 ・スケジュールIII 医療に使えると判断したドラッグの規制で、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬といったもの。 医療使用可能範囲の縮小 こういう規制が40年~50年前に始まったんですが、スケジュールIは使えませんということで、その後を見ていきますと、使えるものは限界まで研究されて行きました。 スケジュールに該当していないものにも、依存性なり、離脱症状なりがありますね。そこで、薬の使用期間と使用用量の問題が追及されてきましたと。 term(期間)の問題 依存性や薬物に耐性が生じるので、スケジュールIIIでは特に使用期間が限られることについての言及が多い。 dose(用量)の問題 mono単剤か、poly複数かということで来て、基本的には単剤治療、単剤、単剤という証拠が増えてきました。さらに用量の問題が追及されてきています。 単純に副作用もだけど、薬の依存のメカニズムに起因する副作用は重篤になるといろいろ難しいことが出てくる。 を通してきました。そうしてさらに、先端の議論では、 クロルプロマジン時代の終焉 unuse薬を使用するか否かまで来ています。有効性の限界が判明し、薬には害もあるので使用するか否かの議論もあるし、中にはあまり使わないほうがいいということで決定的になってきたものもある。最初のスケジュールIの動向をサイケデリック・ルネッサンスとすると、自分はクロルプロマジン時代の終焉と名付けます。抗精神病薬のクロルプロマジンから、新しく薬の開発というものの歴史がはじまり、60年を通して魔法の薬ではなくなってきました。議論中ですが、決定打の議論はこのようなところです。 ・脳の用量の減少の問題:脳の用量が減少するという問題により、抗精神病薬の使用期間はさらに限られてくるのでは。 ・精神病の回復の定義の問題:回復の定義により、薬の使用の是非が変わる。 それと前回の記事にあるように、薬の開発が停滞してきました。 スケジュールIに対する国連の動向 現行の規制を国連が問題にするようになってきたこともあります。意味がないので代替政策を考慮せよということになってきました。来年あたりに動きがある、と。 ・U.S.-led "war on drugs" questioned at U.N. ・New York, 26 June 2013 - Secretary-General's remarks at special event on the International Day

ストレス性疾患とサイケデリック・ルネッサンス

ストレスは、「闘争か逃走反応」を引き起こす苦痛である、とでも定義する。ストレスについての研究を行ったハンス・セリエは、1950年代にストレッサーという言葉に取って替えることで、外部刺激以外のことを含めた ((『ストレスに負けない脳』p26、64))。荒削りだが応用させようと思う。 2012年、英米の精神薬理学のトップは、拡大する精神疾患・閉鎖する製薬研究の状況を打破するために、効果のないドラッグ・ウォーの失敗からの薬物政策の転換の議論も加わり、サイケデリックス(幻覚剤)の応用を本格化させた。2012年10月ついに、研究が本格化するための環境が整った。サイケデリック・ルネッサンス(Psychedelic Renaissance)である。 強いストレスは、心血管にダメージを与え心筋梗塞などのリスクをあげ、免疫を低下させ風邪などの感染症のリスクをあげ、逆にぜんそくやアレルギーといった自己免疫疾患もたらす。また、うつ病をはじめとしたストレス性障害に結びつく。遺伝なり環境なりで弱かった部分や、負荷がかかりすぎた所からダメージが出る。だから、短期的な解決と根本的な解決、部分的でかつ特化した対応と全体的にじわじわ効いてくる対応のそれぞれが可能となる。というわけなので、緊急的な対応を行ったあとに全体的な修復を試みなければ、ほかの部分にダメージが来る。前2つの記事の逆向きの説明になるかと思う。 この仕組みについては「闘争か逃走反応」を理解すればいい。 闘争か逃走反応 脅威を感知した時に、原始的な反応を残した人体に何が起きるだろうか。「闘争か逃走」への備えである。つまり、次のようになる ((『ストレスに負けない脳』p20、41-44、108))。 副腎から、アドレナリン(ストレスホルモン)の分泌。 交感神経が臓器を動員する。 筋肉に酸素を送り込むために、呼吸が激しくなり心拍が高まる。 エネルギーの増加、つまり血糖値の増加と、脂肪の分解。 出血を抑えるために、血管の収斂と、凝血を早める。 鎮痛のために、エンドルフィンなどのオピオイドの分泌。 次に、CRF、ACTHの分泌を経て、副腎からコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌。 脂肪や糖分を蓄えやすくし、空腹をもたらす。また、インスリン抵抗性を増し、腹部に脂肪を蓄える。 けがに備え、短期的には免疫系の強化、長期的には免疫の抑制。 胃腸や生殖器は後回し。 これらは、ストレッサーに反応した時の「HPA軸」の反応とか呼ばれる。 副交感神経 その後、副交感神経が通常の状態に戻す。つまり、闘争か逃走反応の終結には、リラクセーションのスイッチを入れることである。これは意図的に行うことができる。 ストレス反応のバランスを取り戻す薬は開発されておらず、利用されていないと考えられている ((『ストレスに負けない脳』p30))。 ほかの要因によるコルチゾール分泌などの類似反応 そして、こうした反応はストレッサーがなくても起きる。つまり、悪い生活習慣によって起きることである。ストレスに対処しようとした誤った対策は、喫煙 ((PMID 8586813))・飲酒のように血圧を高めるもの、高脂肪食のようにコルチゾールの分泌を促す ((PMID 2789494))。ばかりでなく、これは依存が形成される。飲酒はラットで副腎の応答を活性化させACTHを分泌 ((PMID 9359583))。副腎を取り除いた動物ではコルチゾールを分泌できないが、この場合問題のなかったアルコール量で致命的になることから、アルコールの無毒化にコルチゾールが必要になることが分かる ((『ストレスに負けない脳』p203))。すでに脳と食習慣について、コルチゾールとの関連が少々言われている。 依存症の形成―誤った対策 デヴィット・A・ケスラー『過食にさようなら-止まらない食欲をコントロールする』伝田晴美訳。原著2009年刊行。アメリカでベストセラー。元・米国食品医薬品局-FDA-長官による告発。肥満増加の原因はジャンクフードに対する依存症である。 ストレスに対処しようとした誤った対策は、闘争か逃走のための身体の要請に従って、よりエネルギーを送り込もうとすることである。あるいは誤ったストレスの緩和である。そしてこれは、ドーパミン神経系の刺激を通じて、オピオイドを放出する。オピオイドは、痛みやストレスを緩和し、短期的に気分を良くするが、これはさらに報酬系を刺激するものを欲するサイクルに陥る。依存症である。依存症の発症と再発のリスクの一つはストレスである。 可能性のある代替案 依存性が高いオピオイド以外に、より有害性の低い緩和方法があるのだけど、乱用を理由にして研究もできなくなった現状を英米がなんとか切り開いてきてる。オピオイドや報酬系を刺激するなんとかフェタミンのような有害性の高い薬物と、同等の刑罰化とイメージ付加を行ってしまっているという、難しいところを切り開いた。ストレス性の疾患は全般的に、病気が拡大しているのに新しい薬がない状況に陥っており違法化されているが過去の研究から可能性があり、科学的には有害性というか安全性も再評価を行って治療目的どころか嗜好目的でも安全だとする。ちなみにそういった近年の高度な科学的な手法をとれば、イギリスの科学の結晶から見ればアルコールとタバコは最も有害性があり違法化すべきである。ここまで科学性を高めて英米の科学者は今の薬以上に安全で有効性が高い可能性があるとして切り開こうとし、どんどん成功している。 代替のストレス緩和であるカンナビノイド モルヒネを置換する治療法なんていうと、ぜんぜんありな感じはするでしょう。 カンナビノイドは、痛みやストレスを緩和し、気分を良くし、ピース系を刺激するサイクルに陥る。ヒッピーである。 依存症に対するサイケデリックス 従来の依存症治療では良くて治療率は30%だろう、それが70%とか言われていれば研究者は試したいだろう。 セロトニン受容体5-HT2Aを主として刺激するサイケデリックス、LSDを使ったアルコール依存症の治療を近年の手法で統計しなおしたところ結果が出ていた、シロシビンを使った禁煙のための認知療法が今行われている、依存症に対して近年だとアヤワスカとイボガインにデータがあると思うんだけど、ヒッピー時代の研究だとLSDとシロシビンが主で、乱用で規制され医療利用ができないとまでされているが、有害性が再評価され、過去の研究から今の治療法以上の可能性が見えるので、再びスポットライトが当たっている。なので、研究がつぶれることはもうない。むしろ広まっていくだろう。最近LSD、シロシビンとアヤワスカでドキュメンタリー映画も撮られた。 もうひとつは麻酔薬ケタミン、グルタミン酸受容体NMDAを刺激することがわかっている。併用の心理療法がさまざまなドラッグの依存症に有効であるという研究が上がっている。 共通する体験は、一体感と不安のなさである ((Franz X. "The neurobiology of psychedelic drugs: implications for the treatment of mood disorders" Nature Reviews Neuroscience, 2010. PMID 22817963.))。 ・Franz X. "The neurobiology of psychedelic drugs: implications for the treatment of mood disorders" Nature Reviews Neuroscience, 2010.

フローティング・タンク、考察と体験記

COCOONのアイソレーション・タンク(フローティング・タンク)に入ってきました。 最新型のタンクが置いてあるので岡山のCOCOONに行きたいと思ってたところ、なかなか行けなかった。そこで東京のタンクサロンのECCOのほうに行こうと思っていたけど、こちらは震災を機に移住していました。そんなこんなで、やっとCOCOONに。 フローティング・タンク 1950年代、ジョン・C・リリーによって、リアリティとは何かという追求の果てに生み出された感覚遮断タンク(アイソレーション・タンク)は、体温程度の温度に保たれた塩水に浮かび、光と音を遮断できるタンクです。今では究極のリラクゼーションの装置として普及している。"Restricted environmental stimulation therapy"と呼ばれる。 Wikipediaを探すと、タンクの体験によって、ストレスホルモンの減少、α波からΘ波に入る、慢性痛の軽減、抑うつ感の減少と楽観さの増加といったデータが出ていることが分かる。通常の指示的な訓練以上に受動的に体の力を抜き、同時に深い瞑想体験が期待でき、その作用ではないかと考えられる。 もう少し探すと、ストレス関連の筋肉の慢性痛がある人々が、フローティングによって痛みと気分が改善されている。3週間で9回フローティングした後、最も激しい痛みが減少し、不安や抑うつの減少、楽観さを増し、より簡単に眠れるようになった。 ・Kjellgren A, Sundequist U, Norlander T, Archer T. "Effects of flotation-REST on muscle tension pain" Pain Res Manag. 2001 Winter;6(4):181-9. PMID 11854763. 3週間、週2回毎回45分のフローティングで、同様の改善があり、痛みに耐える能力の向上も見られた。 ・Bood SA, Kjellgren A, Norlander T. "Treating stress-related pain with the flotation restricted environmental stimulation technique: are there differences between women and men?" Pain Res Manag. 2009

トランスパーソナル心理学、統合思想の実用の現在

トランスパーソナル心理学を提唱したスタニスラフ・グロフは、1960年代にLSDによる研究を経て、マズローとともに提唱している。1980~1990年代にかけて、トランスパーソナルな世界を思想的に統合したケン・ウィルバー。旧来の方法の限界を見て、トランスパーソナルな方法は、いまや科学され、主流の科学者がその道を開拓する。詳しくは見ていかないけれど、科学的根拠を含む現代的な流れをざっと。 トランスパーソナル心理学(超個心理学)は、LSDを使ったまじめな心理学的な統計をとってその精神の回復の奇跡をみていたスタニスラフ・グロフ(スタン・グロフ、Stanislav Grof)が、心理学の発展は精神分析のフロイトから、科学的行動主義のスキナーときて、自己実現のアブラハム・マズローときた、このマズローとスタン・グロフが1969年にトランスパーソナル心理学会を設立。グロフによれば、トランスパーソナルはユングが使った言葉である。 のちにグロフはLSDではないが意識状態を変容させる呼吸法であるホロトロピック・セラピーを開発した。 トランスパーソナル心理学 病理的な精神を対象としていた従来の心理学から、マズローのところで、人間性心理学、超健康的な状態をめざした。その後、超発達みたいなほうへはいっていった。それが神秘的体験や宗教体験を視野入れるようになるが、それがトランスパーソナル心理学の主要点となる。従来の心理学では異常に分類される領域だ。 トランスパーソナル心理学から、統合心理学へ―ケン・ウィルバー さらに全発達段階を含めて統合心理学が提唱される。 化学と生物学の大学院生であったケン・ウィルバーがシャンバラ書店から大量に本を取り寄せ読み、物質ではないものに興味を持ち大学はやめて、宗教的精神状態についてのカテゴリー化についての本を書いたら爆発的成功 ((ケン・ウィルバー『グレースアンドグリット上』19~22ページ。(原著 GRACE AND GRIT, 1991)))。すでにトランスパーソナルに限らず、全発達段階を視野に入れている。精神医学的に許容範囲だろう本は『アートマン・プロジェクト』(原著 artman project, 1980)と『統合心理学への道』(原著 The Eye Of Spirit, 1997)、後者のほうがあとの著作なので最初に読むにはいいんだけど、前者のほうは精神分析の小難しい感じでそれもいいと思う。『ワン・テイスト』(One Taste, 1999)という日記はもっと具体的なことが、さらっとだけ書いてある。全体的で入門書な感じであとは、ハクスリーからギンズバーグ、ティモシー・リアリーまでちょっと日記を書いてるし。あとのは西洋哲学や東洋哲学、自我発達を超えていくとする各宗教のスピリチュアルな成長段階の思想面が初めのほうは強く、病理のほうはぜんぜんつっこんでなくてさらっと、次に統合心理学だがまだトランスパーソナルが強い。最近のは応用編だね。一番最初の『意識のスペクトル』だけは、まだ思想が固まってないからおすすめできない。 細かい瞑想の段階はスタニスラフ・グロフ+クリスティーナ・グロフの『スピリチュアル・エマージェンシー』(SPIRITUAL EMARGENCY)に載っているジャック・コンフィールドの「霊的修行における障害と変転」がいちばん細かな指導が載っている。 過去の参考記事 マインドフルネス瞑想 ケン・ウィルバーの統合思想 マズローがはじめに言ってる。ロジャー・ウォルシュ(Roger Walsh)は『トランスパーソナル宣言-自我を超えて』(原著 BEYOND EGO, 1980) ((ロジャー・N. ウォルシュ+フランシス ヴォーン編『トランスパーソナル宣言-自我を超えて』吉福伸逸訳編、春秋社、1986、ISBN 978-4393360033。225-244ページ。(原著 BEYOND EGO, 1980)))という論文集を出してるんだけど、ここにマズローの「メタ動機:価値ある生き方の生物学的基盤」という内在的生活の論文を載せて、 多くの不要な衝突や分裂を解消する有効な案を生み出すのはそのように考えていくことによってである。たとえば、よくある「観念論」と「唯物論」の対立だが、かりにヘーゲルの「精神」とマルクスの「自然」が同一の連続体の上でヒエラルキー的に統合されるならば、そのヒエラルキー的連続体によってさまざまな解決法が自然に得られるだろう。 (引用元の論文:アブラハム・マズロー(上野圭一訳)「メタ動機:価値ある生き方の生物学的基盤」 ロジャー・N. ウォルシュ+フランシス ヴォーン編『トランスパーソナル宣言-自我を超えて』吉福伸逸訳編、春秋社、1986、ISBN 978-439336003。225-244ページ。(原著 BEYOND EGO, 1980)) 黒か白か、ゼロか一かじゃなくて、その対立じゃなくて、パーセンテージで考えましょう、対立させない、使い分ける。これがケン・ウィルバー(Ken Wilber)を読み解くことの基本。これを大風呂敷に、統合―インテグラル―な思考。物質では意識では、個人では群では、科学では思想では、論理では心理では、意識のどのへん?体のどのへん?脳?ニューロン?ミネラル?、形而上思想からは、形而下思想からは?。対立しない、させない、協調。今風の思考スタイルになる。単一還元論もシステム論も、全体分化のホーリズム(東洋思考)も、断片分析の科学思考(西洋思考)も対立していない。LSDとかの幻覚剤は瞑想に役立てられる人もいますね、だけど瞑想が本義だよ、と。 非物質とのつなぎめ Lifestyle and Mental Healthという、ロジャー・ウォルシュが、具体的な実践を予防と回復を含めたレベルで統合しなおしてくれたような論文がある。ケン・ウィルバーで言う全体的に統合的にの実践であり、そういう第二層思考への促進、進化であり不可逆である。たとえば、西洋医学と代替医療の統合医療。統合医療の提唱者アンドルー・ワイル(Andrew Weil)が、初期の主著は、幻覚剤と医療大麻の医療への応用。統合医療になったあとのアンドルー・ワイルだと、ロジャー・ウォルシュの論文の昔のスタイルみたいになる。 mysticが科学と手を組んで、意識と脳のmystic、つなぎめは物質のサイケデリックス(psychedelics, 幻覚剤)、精神訓練のマインドフルネス瞑想(Mind-fullness based Meditation)が科学誌でも来てるね。たとえば、科学誌で、サイケデリックスによる現在までの精神疾患の治療効果や作用機序の論文、またそれが少なければ1回の神秘体験で済むから、面白い。 プロザック主義の衰退 特許をとったけど、ジェネリック化された薬に優越しないし、すごくたくさんの人数で治験をする治験費用がかかる。特許を取り続けて似たような効果の新薬を出し広告し売らなければならないというビジネス・モデルが衰退してる。2003年市場160億円のピークは過ぎた、市場規模は2016年には60億円と三分の一くらいになっていくらしい。天然の物質は特許を取れないし代謝のいいものはある、それか特許のきれた物質を、非営利団体的に民主主義的に、解放し、また生活スタイルによって能動的に快復する。一部の利益を、全体の利益に、全体の力で。 デヴィット・ナット(David Nutt)は、イギリス政府の主任薬物アドバイザーだったが、彼が書いたLSDやマジックマッシュルームよりもアルコールやたばこが危険度が高いとする論文がLancet誌に掲載された。今はロンドン大学インペリアルカレッジでマジックマッシュルームをfMRIでうつ病に応用しようとしている。マジックマッシュルームは、重度のうつ病患者に電気けいれん療法を行ったときと同じように、病理的な脳内の接続を遮断する。そのあたりのニュースはここ。 ・Kate Kelland ,Ben Hirschler. "Insight -

栄養学と身体の病気や心理学的な関連―科学的根拠、2012年3月~2011年

栄養学と生活習慣病に関する2011年前後の科学的根拠のまとめ。 各食品と、生活習慣病や死亡リスクに対する詳細なパーセンテージが出てきた。大規模な統計で肉は1日42グラム以下が死亡リスクの上がらない摂取量で、摂取量は減少傾向。 栄養と臨床精神医学、心理学が結構リンクしてきた。身体疾患と精神のリンク。ここでは深く言及しないが瞑想は結構な蓄積で精神疾患だけでなく、心血管系の負担を減らし、ストレスにも痛みにも大脳皮質の強化や遺伝子の発現の変化から相当に応用が効く。もう少し書きました➫瞑想 健康に悪影響があるので砂糖に税をかけるべきだとネイチャー誌。 飲料では、人工甘味料や、レッドブルなど10代~20代前半をターゲットにしたエナジードリンクのリスク、エナジードリンクはアルコール依存症にリンクしている。 全死亡の4%に関わるアルコールの有害性に対しWHOが各国に施策を求める、月に1回宴会するだけで有益作用を打ち消すほどアルコールの許容量が少ない、特に女性に対する悪影響が大きい、15~29歳の若者が死亡する要因の9%を占める。 一方、産業がもたらす公害が原因となる、ガンのような「人工的」な病気で終末期にある患者が被らなければならない、辛くて苦しい痛みはどうするのか。二○世紀後半、産業中心の卑しくもみすぼらしい文化に暮らす人間の体に備わった脳は、こうした新たな病を扱うようにはできていない。 (ティモシー・リアリー、R・U・シリアス『死をデザインする』栩木玲子訳、河出書房新社、2005年。ISBN 978-4309906591。247ページ。(原著 Design for Dying, 1997)) 世界保健機関(WHO)は、ジャンクフードや高カロリージュース広告の制限、有害なアルコール使用の制限、たばこの広告の禁止、を各国の保健機関に求めている。 ・糖尿病や心疾患などで世界で3600万人が死亡 WHO報告書(日本生活習慣病予防協会) ジャンクフードや高カロリージュース広告の制限は、アメリカではマクドナルドが目の敵にされている。 精神の健康と生活習慣―アメリカ心理学会(APA)誌2011年論文 21世紀には、セラピー的生活習慣を、精神と医療、公衆衛生の中心的な焦点にする必要があるかもしれません。最大の死亡要因である心血管疾患、肥満、糖尿病、がんは、禁煙、運動、食事、飲酒というたった4つに大きく決定されます。 8つ主要なセラピー的生活習慣の変化 (TLCs:therapeutic lifestyle changes)とは、運動、食事と栄養、自然の中での時間、人との結びつき、レクリエーション、リラックス、ストレス対策、敬虔さあるいはスピリチュアルなかかわりです。 (―ロジャー・ウォルシュ:アメリカ心理学会誌論文より。Roger Walsh "Lifestyle and Mental Health" American Psychological 66(7), October 2011, pp579-92. PMID 21244124.) これまで言われてきた身体の生活習慣病を予防する生活が、精神疾患も予防し症状を緩和する。生活習慣と精神疾患のちょこちょことした論文はあるので、世界保健機関(WHO)とまで言わないでも(ずっと待ってるけど)、アメリカ心理学会(APA)誌がまとめて論文を載せたのは、世論への影響が大きいね、ぶっといね。8つのうち後ろに行くほど、フィジカル(物質)の影響が離れるから面白いね。後ろのほうはトランスパーソナル心理学(超個心理学, transpersonal)の天才がやってるほう、瞑想や利他主義をハーバード大学とかでfMRI(脳映像装置)とか遺伝子とかを見て研究している。 このうち食習慣に関しては。 野菜や果物、魚のふんだんな食事:子供の認知能力と学業成績を向上させ、大人では感情と統合失調症の症状を改善し、加齢に伴う認知機能の低下やアルツハイマー病、パーキンソン病を予防する。 オメガ3脂肪酸:オメガ3脂肪酸の低い摂取量は情動障害の高い有病率に関連。組織内の低いオメガ3脂肪は感情と統合失調症の両方の疾患の重症度に相関している。認知症との関連はまだ決定的ではない。 オメガ3脂肪酸のサプリメントによる補充:うつ病、双極性障害、周産期うつ病におそらく有効である。統合失調症やハンチントン病に恩恵がある可能性がある。RCT81名で、3か月のオメガ3脂肪酸の補充は陰性陽性の症状だけでなく、完全な精神病への進行リスクを27.5%から4.9%にまで減らし、中断後9カ月後も持続していた、このように持続性がある抗精神病薬はなく、抗精神病薬はより副作用も多い。ADHDの攻撃性や症状を減らす。母体の摂取により乳児の認知機能の向上、高齢者では認知機能の低下を防ぐが、アルツハイマーには効果がないようである。 このような感じでかなり網羅的に ・生活習慣の変化は精神疾患を予防し安全に諸症状を緩和する―2011年アメリカ心理学会(APA)誌の論文 過去の参考記事 肥満・メタボリックシンドロームとダイエット、食物の食べ方・選び方 生活習慣病と生活習慣における共通点―生活習慣こそが数多の病気を予防し緩和する 包囲されるマクドナルド、マウスはジャンクフードで過食して肥満になりヘルシーな食事を拒否した 栄養学、歴史と国土、そして科学的根拠に基づく食生活指針 砂糖の依存性と有害性―砂糖税を導入せよ―『ネイチャー』 7102

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